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不動産投資家のための節税対策!個人と法人どちらが得かを具体的に比較解説

不動産投資

永田 雄介

筆者 永田 雄介

不動産キャリア10年

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すでに不動産を保有していると、毎年の税負担が本当に適切なのか、気になる場面が増えてきます。
特に、不動産投資家として節税対策を考えるとき、個人のまま運用を続けるべきか、法人を設立して移行すべきかは、大きな分かれ道になります。
しかし、どちらが得かは単純に税率だけで判断できるものではなく、不動産所得の規模や他の所得、将来の売却や相続まで含めて考える必要があります。
本記事では、個人と法人それぞれの税体系の違いから、保有中の物件での損益分岐ライン、さらに法人活用のメリット・注意点まで、運用改善を目指す不動産投資家が押さえておきたいポイントを整理して解説します。
自分の状況ではどの選択が有利なのかを判断するための土台として、ぜひ最後まで読み進めてください。

不動産投資家の節税で個人と法人が変わる点

不動産投資の利益に対して、個人であれば所得税と住民税が、法人であれば法人税と地方法人税などが課されます。
個人の不動産所得は、事業所得や給与所得などとともに総合課税の対象となり、課税所得に応じて所得税率が段階的に上がる仕組みです。
現行の所得税率は、課税所得に対して5%から45%までの7段階の超過累進税率が採用されており、高所得になるほど税率が高くなります。
一方で法人の所得には、原則として一定の法人税率が適用され、さらに地方法人税や法人住民税などが上乗せされる構造です。

個人の所得税は超過累進課税であるため、不動産所得が増えて課税所得が高くなるほど、上の階層の部分に高い税率が適用されます。
例えば、課税所得が高額帯に達すると、所得税率だけで33%から45%の層が適用される可能性があり、住民税の一律10%と合わせると、合計の負担感が大きくなります。
これに対して法人税は、原則として23.2%の税率が基準となり、一定の中小法人には一部軽減税率が設けられているなど、個人のような急激な税率の上昇はありません。
このため、不動産所得が大きくなるにつれて、個人で持ち続けるよりも、法人を活用した方が税率面で有利になる局面が生じやすい構造といえます。

さらに、すでに物件を保有している不動産投資家の場合、個人と法人では他の所得との合算の有無が重要な違いになります。
個人では、不動産所得は原則として給与所得などと合算され、赤字が出れば一定の範囲で損益通算が可能ですが、黒字が大きくなれば他の所得と合わさって高い税率帯に達しやすくなります。
一方で法人は、不動産収入や管理収入などの事業上の所得を法人単位で集約して課税されるため、個人の給与所得などとは切り離して税負担を管理できる点が特徴です。
このように、税率水準だけでなく、所得をどの単位で合算するかという構造の違いが、節税効果や運用改善のしやすさに大きく影響します。

区分 個人保有 法人保有
適用される主な税金 所得税・住民税 法人税・地方法人税
税率の形 5~45%の累進 23%前後の一定
他の所得との関係 給与所得などと合算 個人所得と切り離し

保有中の物件で個人と法人どちらが得かの判断軸

まずは、年間の不動産所得額と課税所得額から、おおまかな損益分岐の目安を押さえておくことが大切です。
個人の場合、総合課税の所得税率は段階的に上がり、住民税は原則一律となるため、合計の実効税率は所得が増えるほど高くなります。
一方、法人税と地方法人税などを含めた法人の実効税率は、一定水準まではおおむね横ばいに近い構造です。
そのため、年間の不動産所得がある程度の金額を超えると、個人より法人の方が手取りが多くなる可能性があります。

次に、減価償却費やローン利息、修繕費など主要な経費の扱いを整理しておくことが重要です。
個人でも法人でも、賃貸用の建物や設備は減価償却の対象となり、ローン利息や修繕費も必要経費として計上できます。
ただし、法人の場合は役員報酬や、一定の条件を満たす家賃負担など、人件費や福利厚生費として認められる範囲が広がることで、節税効果が高まる場面があります。
その反面、交際費の損金算入限度や、役員報酬の改定時期の制約など、法人ならではのルールにも注意が必要です。

さらに、現状の個人保有を続ける方が有利なケースと、法人化を検討したいケースを切り分けることが判断の軸になります。
例えば、不動産所得額が比較的少なく、他の所得との合算後も高い税率帯に達していない場合は、個人のまま青色申告を活用しつつ経費計上を丁寧に行う方法でも、十分な節税が見込めることがあります。
一方で、不動産所得やその他の所得を合算した課税所得が高くなり、上位の税率帯に入っている場合や、今後も物件を追加取得して規模拡大を予定している場合には、法人化や管理会社の活用を早めに検討する価値があります。
このように、現在と将来の所得水準や投資方針を踏まえて、個人と法人のどちらが得かを総合的に見極めることが重要です。

判断項目 個人に向く目安 法人を検討する目安
年間不動産所得額 比較的少額水準 高水準で今後増加
他の所得との合算 中位以下の税率帯 上位の税率帯に該当
今後の投資方針 現状維持が中心 規模拡大を計画

運用改善を狙う不動産投資家が法人を活用する際の基本と注意点

不動産投資の運用改善を図る際、個人での保有に加えて法人を活用する方法があります。
代表的な形としては、賃料収入を受け取る所有法人と、管理業務を受託する不動産管理会社に分けるスキームが挙げられます。
これにより、所得を家族も含めて分散しやすくなり、累進税率の負担を抑えやすくなる点が大きな利点です。
さらに、法人名義での契約とすることで、万一のトラブル時に個人資産への影響を一定程度切り離しやすいという資産防衛面の効果も期待できます。

一方で、法人を設立して活用する場合には、税負担以外のコストと義務が生じる点に十分な注意が必要です。
たとえば、役員報酬や従業員給与を支給する場合には、健康保険や厚生年金保険などの社会保険料負担が発生し、実質的な手取りが想定より少なくなることがあります。
また、法人を維持するためには、設立時の登録免許税や定款認証費用に加え、毎期の決算申告にかかる専門家報酬など一定の費用が継続的に必要です。
加えて、法人の欠損金は一定期間繰り越して将来の黒字と相殺できますが、制度改正の内容や適用要件を確認しながら計画的に活用することが求められます。

さらに、将来の売却や相続といった出口戦略を踏まえて、個人名義と法人名義のどちらで保有するかを検討することが重要です。
個人名義で保有している物件を売却する場合には、所有期間に応じた譲渡所得税の区分が関係し、法人名義で売却する場合には法人税等の課税関係が生じるため、それぞれの税負担の違いを見通しておく必要があります。
また、相続を見据える場合には、株式として事業承継を検討する方法や、個人名義の不動産を生前にどのように移転するかといった選択肢があり、いずれも評価額と税負担のバランスを丁寧に比較することが大切です。
このように、出口まで含めた視点で名義やスキームを整理しておくことで、長期的な節税と資産防衛の両立がしやすくなります。

活用場面 法人活用の主な利点 事前に確認したい点
保有中の賃貸運用 所得分散による税負担平準化 設立維持費用と収益水準
長期の資産防衛 法人名義による責任分散 社会保険料や手取り額
売却や相続時 株式承継など柔軟な選択肢 譲渡所得と法人税の比較

今すぐできる運用改善と専門家への相談タイミング

まずは、個人名義のままでも取り組める節税対策を丁寧に見直すことが大切です。
代表的なものとして、不動産所得について青色申告の承認を受け、青色申告特別控除を適用する方法があります。
また、減価償却費やローン利息、管理費、固定資産税など、必要経費になる支出を漏れなく整理し、領収書や契約書を保存しておくことも重要です。
こうした基本的な対策だけでも、課税所得が下がり、結果として所得税や住民税の負担軽減につながります。

次に、法人化や法人の活用を検討すべきタイミングを把握しておくことが有効です。
目安としては、不動産所得を含めた年間の課税所得が高い水準に達し、個人の累進課税により税負担が重くなっている場合が挙げられます。
その際には、法人税や地方法人税、法人住民税などを前提に、個人の税負担と比較する試算を行い、手取り額がどの程度変わるかを確認するとよいです。
さらに、将来の物件取得計画や売却、相続の見通しも含めて複数年のシミュレーションを行うと、判断の精度が高まります。

そして、具体的な節税効果や法人化の是非を判断する段階では、税理士など専門家への相談が有益です。
相談前には、直近数年分の確定申告書、不動産収支の内訳、ローン返済予定表、賃貸借契約書の写しなどを整理しておくと、議論がスムーズに進みます。
あわせて、今後の購入予定や売却予定、家族への承継方針など、自身の希望や計画を簡潔にまとめておくことも大切です。
これらを基に、個人のまま運用改善を図るのか、所有法人や管理会社を活用するのかといった検討フローを専門家と共有しながら進めていくことが望ましいです。

項目 今すぐ確認したい内容 専門家相談時の活用
経費計上の整理 領収書・契約書の保管状況 必要経費の漏れ有無の点検
申告方法の確認 青色申告の適用の有無 控除額と手取り額の比較
将来計画の整理 購入・売却・承継の方針 個人か法人かの方向性検討

まとめ

不動産投資家が節税を考える際、個人か法人かで税率構造も将来の負担も大きく変わります。
特に不動産所得額が増えるほど、累進課税となる個人か、フラットに近い法人税率かの違いが効いてきます。
まずは現在の年間不動産所得や経費、ローン残高を整理し、個人のままのメリットと法人化のメリットを比較することが重要です。
当社では、保有中の物件状況や将来の売却・相続まで見据えたシミュレーションをご提案しています。
「自分は個人と法人どちらが有利なのか」を知りたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

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