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事業用不動産の売却はどんな流れで進む?ポイントや必要な準備も紹介

事業用不動産


事業用不動産を売却する際には、多くの手続きや注意点があり、「何から始めれば良いのか分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。本記事では、事業用不動産の売却を検討している事業者の皆さまに向けて、売却の全体的な流れや各ステップで押さえるべきポイントを分かりやすく解説いたします。どのような準備が必要なのか、スムーズに手続きを進めるにはどうすれば良いのか、一つずつ丁寧にご案内します。納得のいく売却のために、ぜひ最後までご覧ください。

事業用不動産売却の第一歩 全体的な流れの把握

事業用不動産の売却を始める際は、まず全体の流れを把握することが大切です。一般的には以下のステップが順を追って進みます。

ステップ 内容 期間の目安
価格査定・物件調査 収益性や立地、建物の状態、法令制限などを確認して査定します 即日~1~2週間
媒介契約の締結 売主と不動産会社が契約を結び、レインズ登録などの準備を進めます 査定後、すぐ~2週間以内
売買契約と決済・引渡し 重要事項説明を受け、手付金の授受、残代金の受領、所有権移転登記などを行います 売買契約後、1~2か月

これらを合計すると、事業用不動産の売却にはおおむね3か月から6か月程度かかることが多いです。特に物件の種類やエリア、市況によってはこの期間より長くなる場合もあります。

たとえば、査定では収益性(利回り)や立地条件、建物の状態といった項目が特に重視されます。事業用物件ならではの視点で評価されるため、この段階で正確な調査と把握が重要です。

媒介契約には「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3種類があり、それぞれレインズ登録のタイミングや不動産会社への報告義務が異なります。法律改正によりレインズへの登録義務が強化されており、囲い込みの防止も進められています。

売主にとっては、売却の目的や資金計画、スケジュールの整理も欠かせません。資金やタイミング、売却目的を明確にしておくことで、売却活動全体がスムーズに進みます。

なお、上記内容はいずれも信頼できる専門サイトなどを参照のうえで、事業用不動産売却の第一歩として紹介しています。

価格査定と物件調査のポイント

事業用不動産の売却において、価格査定と物件調査は成約に直結する重要なステップです。以下に、事業者の皆さまが確認すべきポイントを整理します。

査定項目内容確認方法
収益性表面利回り・ネット利回りによって収益価格を算出賃料収入や経費資料を基に利回り計算を実施
立地・法令制限都市計画、用途地域、接道状況などの制約自治体の都市計画図や用途地域図で確認
物件状態築年数・建物の劣化・修繕履歴・設備状態現地調査によって状態を詳しく把握

まず「収益性」については、積算価格方式と収益還元方式の二つがあります。積算価格とは、土地と建物それぞれの価値を合算し、減価を差し引く方法です。一方、収益還元方式では賃料収入から利回りを使って価格を算出し、表面利回りあるいは経費控除後のネット利回りベースで算定します。特に投資性が重視される事業用不動産では、この収益還元方式が重要です。これらはいずれも三井不動産リアルティによる解説にも示されている手法です。

次に「相場確認に役立つ情報源」についてです。不動産の評価には複数の公的価格指標が存在します。「固定資産税評価額」は市町村が毎年の課税のために算定する価格で、公示地価の概ね70%程度とされています。そのため、評価額を「0.7」で割り戻して公示地価を推定し、さらに公示地価の1.1倍~1.2倍を乗じることで取引価格の目安(実勢価格)を概算できます。一方、公示地価は国土交通省が毎年1月1日時点で評価し、市場の指標としての役割が大きい指標です。これらは不動産査定の際の基本となります。

最後に「査定方法の違いと自社で準備すべき資料」についてです。査定には、住所・面積・築年数といった基本情報をもとに概算を行う「簡易査定」と、実際に担当者が現地を訪れて詳細に評価する「詳細査定」があります。簡易査定は短時間かつ低コストですが、日当たり・周辺環境・建物状態などを反映できないため、売主としては詳細査定に備えて物件資料や修繕履歴、収支資料を準備することが望ましいです。

これらの要素をきちんと押さえておくと、査定の精度向上につながり、価格交渉力を高める一助になります。

媒介契約から売却活動までの進め方

事業用不動産を売却する際には、まず媒介契約を締結し、その後に売却活動へと移ります。媒介契約には、専属専任媒介、専任媒介、一般媒介の三種類があります。それぞれ特徴が異なるため、売主である事業者様の目的や状況に応じて選ぶことが重要です。

媒介契約の種類特徴報告義務・制度
専属専任媒介1社のみ契約可能。売主自身による買主発見は禁止。レインズ登録は5営業日以内。売却活動の報告は週1回以上。
専任媒介1社のみ契約可能。売主自身で買主を見つけて契約可能。レインズ登録は7営業日以内。売却活動の報告は2週に1回以上。
一般媒介複数の業者と契約可能。自己発見の買主とも直接取引可能。レインズ登録・報告義務なし。

上表のとおり、専属専任媒介と専任媒介は、レインズへの登録義務や売却活動の報告義務が定められており、不動産会社による積極的な活動が期待できます。一方、一般媒介では報告義務がなく、業者間の競争が働きやすいという特徴もあります。契約の制約や報告体制の違いをよく把握して選択してください。なお、これらの契約形態は、宅地建物取引業法にもとづいており、仲介手数料の上限はどの場合も同じです。

媒介契約締結後は、物件情報が登録されたレインズやポータルサイト、広告媒体を通じて売却活動が開始されます。具体的には、掲載や内覧の調整、買主との条件交渉などが進められます。事業用不動産では、テナントが入居中である場合、現状の契約内容や敷金対応、通知義務など、テナントとの調整が必要になることもあります。例えば、募集にあたってテナントへの十分な連絡や、敷金の精算方法の確認など、関係者に配慮した対応が求められます。

契約締結から引渡し・決済までの手続き

事業用不動産の売却における、契約締結から引渡し・決済までの手続きは、複数のステップを丁寧に進めることが、安全かつ円滑な取引につながります。以下に、主な流れを項目ごとにまとめました。

ステップ主な内容目安や留意点
重要事項説明・売買契約・手付金宅地建物取引士による重要事項説明を受けたうえで、契約書に署名捺印し、手付金を受領します。手付金は価格の5~20%が目安です。同日に1.5~3時間程度かかることが一般的です。
決済・登記・引渡し決済当日に残代金の支払い、司法書士による所有権移転登記の申請、抵当権抹消などを行い、鍵の引渡しなどで取引が完了します。決済当日の手続きは1~2時間程度で終了します。登記申請は当日または翌営業日に行われます。
税務整理・精算処理固定資産税などの日割り精算、譲渡所得税などの税務整理を進めます。譲渡所得の発生時期は「引渡し日」が基準になりますので、申告年度に注意が必要です。

以下、各ステップについてもう少し詳しくご説明いたします。

まず、「重要事項説明」は宅地建物取引士が、物件の権利関係や法令制限など重要な事項を説明する義務のある手続きです。その後に売買契約を交わし、手付金を授受します。手付金の額は明確な法的上限はありませんが、売買価格の5~20%程度とされており、当日の手続きは1.5〜3時間ほど要することが一般的です。契約内容をしっかりご理解のうえ、署名・捺印に進むようにしましょう。

次に、「決済・登記・引渡し」においては、買主から残代金が支払われ、司法書士が所有権移転登記の申請や抵当権抹消の手続きを進めます。決済場所は金融機関や司法書士事務所、不動産会社の事務所などが一般的です。当日は手続きの円滑さが重要で、おおよそ1〜2時間程度で完了します。登記申請自体は当日か翌営業日には行われ、完了後に買主へ登記識別情報が渡されます。

最後に、「税務整理・精算処理」ですが、引渡し日を基準に固定資産税や都市計画税などの費用を日割り計算で精算します。また、譲渡所得が発生した場合は、引渡しを基準にして確定申告の年分が決まりますので、申告手続きに備えておくことが重要です。

以上のように、契約締結から引渡し・決済までには「重要事項説明と契約・手付金」「決済と登記・鍵の引渡し」「税務整理と費用精算」の大きく三つの流れがあり、それぞれの節目で対応を丁寧に進めていくことが、事業用不動産の売却成功の鍵となります。

まとめ

事業用不動産の売却は、相談・調査から契約、引渡しまでいくつかの重要なステップを順番に進めることが大切です。各段階で必要となる書類や準備、資金や税務の整理を行えば、スムーズに手続きを進めやすくなります。また、売却のタイミングや目的を明確にすることで、より納得のいく結果につながります。不安な点は早めに専門家へ相談し、納得した上で売却活動に取り組むことが成功への近道です。

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